1
00:00:21,354 --> 00:00:23,732
私はこれまでの人生で

2
00:00:24,232 --> 00:00:27,610
珍しい場所を多く訪れた

3
00:00:31,531 --> 00:00:34,909
魅力的な動物にも
たくさん出会った

4
00:00:37,495 --> 00:00:42,834
その中には 特に強い絆を
感じるものもいる

5
00:00:52,385 --> 00:00:55,346
彼らには我々を
はるかに上回る⸺

6
00:00:57,098 --> 00:00:59,768
強さと活力がある

7
00:01:02,187 --> 00:01:08,151
だが私が圧倒されるのは
その大きさや力ではない

8
00:01:09,360 --> 00:01:14,157
振り返り私を見つめる
その目に宿った⸺

9
00:01:14,657 --> 00:01:17,035
知性と鋭い感覚だ

10
00:01:23,958 --> 00:01:30,381
彼らを前にすると 驚きと
恐怖の念がこみ上げてくる

11
00:01:36,137 --> 00:01:38,640
彼ら自体が怖いわけではない

12
00:01:41,101 --> 00:01:46,272
我々が大事な何かを
見逃してきたのではないか

13
00:01:47,107 --> 00:01:49,192
という恐怖だ

14
00:01:50,735 --> 00:01:54,656
彼らの真の姿や
人間との関係性を

15
00:01:57,283 --> 00:02:00,703
深く理解してこなかった
のではないか

16
00:02:01,204 --> 00:02:08,169
デヴィッド・アッテンボロー:
ゴリラが紡ぐ物語

17
00:02:12,173 --> 00:02:14,175
「地球の生命」

18
00:02:18,429 --> 00:02:22,809
マウンテンゴリラに初めて
会った時のことを思い出す

19
00:02:27,772 --> 00:02:31,401
“1978年１月９日 月曜日”

20
00:02:33,945 --> 00:02:34,653
{\an8}〝ヴィルンガの火山が
前方に見えていた〞

21
00:02:34,654 --> 00:02:36,572
{\an8}〝ヴィルンガの火山が
前方に見えていた〞
ルワンダ

22
00:02:36,573 --> 00:02:36,655
{\an8}〝ヴィルンガの火山が
前方に見えていた〞

23
00:02:36,656 --> 00:02:37,990
{\an8}〝ヴィルンガの火山が
前方に見えていた〞
東アフリカ

24
00:02:37,991 --> 00:02:40,034
{\an8}東アフリカ

25
00:02:43,788 --> 00:02:47,834
“我々は１時間半の山道を
登り始めた”

26
00:02:49,586 --> 00:02:55,800
“特徴のない低木が徐々に
高地の雨林へと姿を変える”

27
00:03:01,681 --> 00:03:05,894
“長い枝の木々は
養生植物に覆われている”

28
00:03:07,770 --> 00:03:12,608
“眼前には 細長い葉のシダと
白いサルオガセモドキが”

29
00:03:12,609 --> 00:03:13,818
“広がっていた”

30
00:03:22,118 --> 00:03:26,372
“開(ひら)けた場所で メスと子供の
群れに遭遇した”

31
00:03:27,832 --> 00:03:31,044
“なぜか私は
近づくことが許された”

32
00:03:40,762 --> 00:03:43,263
“これが実現したのは”

33
00:03:43,264 --> 00:03:46,976
“ダイアン･フォッシーの
おかげだ”

34
00:03:49,354 --> 00:03:52,232
“彼女はゴリラと共に暮らし”

35
00:03:54,108 --> 00:03:58,238
“彼らの生活を
つぶさに研究した”

36
00:04:01,074 --> 00:04:04,993
彼女の教えに従い
行動したことで

37
00:04:04,994 --> 00:04:07,872
私たちも受け入れられたんだ

38
00:04:09,415 --> 00:04:12,918
“私は立ち止まり
うなり声を交わした”

39
00:04:12,919 --> 00:04:16,005
“ここにいる と知らせる
安心の合図だ”

40
00:04:21,511 --> 00:04:27,599
ゴリラの視覚 聴覚 嗅覚は
人間にとても似ています

41
00:04:27,600 --> 00:04:31,729
つまり 同じ感覚で
世界を捉えているのです

42
00:04:33,731 --> 00:04:40,779
人間という存在から抜け出し
想像で 他の生き物の世界に

43
00:04:40,780 --> 00:04:45,493
入り込めるとしたら
それはゴリラの世界でしょう

44
00:04:51,082 --> 00:04:53,208
映像では触れてないが

45
00:04:53,209 --> 00:05:00,174
当初はゴリラに遭遇するのを
目的とした記録ではなくてね

46
00:05:01,217 --> 00:05:05,971
指の対向性が持つ
重要な役割について

47
00:05:05,972 --> 00:05:07,724
語るのが目的だった

48
00:05:10,184 --> 00:05:15,606
ただ座って ゴリラの話を
するつもりだったんだ

49
00:05:17,650 --> 00:05:21,153
振り返ると
彼らが寝そべっている

50
00:05:21,154 --> 00:05:27,118
足元に重みを感じ 見ると
そこには小さなパブロがいた

51
00:05:29,120 --> 00:05:34,041
{\an8}〝パブロ　３歳〞

52
00:05:34,042 --> 00:05:37,252
指の進化の話など
どうでもいい

53
00:05:37,253 --> 00:05:39,630
私は流れに身を任せた

54
00:05:58,274 --> 00:06:00,609
実に愛らしいんだ

55
00:06:00,610 --> 00:06:03,404
思わず抱きしめたくなる

56
00:06:04,530 --> 00:06:08,201
本当に ただただ幸せだった

57
00:06:13,081 --> 00:06:17,543
シリーズの中で
いや 私の映像人生において

58
00:06:18,044 --> 00:06:22,673
最も印象深い場面だと
多くの人が思うだろう

59
00:06:24,217 --> 00:06:29,346
ゴリラとは
ただ視線を交わすだけで

60
00:06:29,347 --> 00:06:33,184
深い理解と
つながりが生まれます

61
00:06:34,685 --> 00:06:36,312
他の動物とは違う

62
00:06:39,107 --> 00:06:43,820
パブロが驚くべき人生を歩み
偉大な足跡を残すとは

63
00:06:46,197 --> 00:06:49,200
その時 知る由もなかった

64
00:06:52,161 --> 00:06:55,872
ここでは パブロの物語と

65
00:06:55,873 --> 00:07:00,502
ヴィルンガ山地に暮らす
パブロの子孫たちの様子を

66
00:07:00,503 --> 00:07:02,088
紹介しよう

67
00:07:13,683 --> 00:07:15,934
あれから約50年

68
00:07:15,935 --> 00:07:20,397
パブロ･グループと呼ばれる
群れは今

69
00:07:20,398 --> 00:07:23,151
運命の岐路に立っている

70
00:07:36,289 --> 00:07:39,666
{\an8}群れの頂点に立つ
シルバーバックは

71
00:07:39,667 --> 00:07:40,292
{\an8}ギクラシだ

72
00:07:40,293 --> 00:07:41,501
{\an8}ギクラシだ
ギクラシ　27歳

73
00:07:41,502 --> 00:07:44,005
{\an8}ギクラシ　27歳

74
00:07:55,892 --> 00:08:01,647
山に住むゴリラの中でも
最年長で経験も豊富である

75
00:08:07,528 --> 00:08:09,237
ギクラシの統率下で

76
00:08:09,238 --> 00:08:12,992
群れは安定した日々を
送っていた

77
00:08:19,290 --> 00:08:24,712
彼にとって最も重要な
協力者の存在も大きい

78
00:08:29,091 --> 00:08:29,382
{\an8}リーダー格のメス
テタだ

79
00:08:29,383 --> 00:08:32,010
{\an8}リーダー格のメス
テタだ
テタ　13歳

80
00:08:32,011 --> 00:08:35,681
{\an8}テタ　13歳

81
00:08:41,020 --> 00:08:45,858
皆 彼女に一目を置き
彼女の指示には従う

82
00:08:54,367 --> 00:08:56,619
テタとギクラシは

83
00:08:57,537 --> 00:09:00,373
特別な絆で結ばれている

84
00:09:09,590 --> 00:09:12,092
テタが傍らにいることで

85
00:09:12,093 --> 00:09:16,639
ギクラシは５年も
権力を保ち続けてこられた

86
00:09:37,827 --> 00:09:42,123
この２頭が
群れの中心的な存在だ

87
00:09:55,720 --> 00:10:01,142
しかしギクラシは
肉体的な全盛期を過ぎている

88
00:10:03,728 --> 00:10:06,939
次の座を狙う者たちが
控えていた

89
00:10:11,485 --> 00:10:11,943
{\an8}これはウブズ

90
00:10:11,944 --> 00:10:12,819
{\an8}これはウブズ
ウブズ　17歳

91
00:10:12,820 --> 00:10:15,655
{\an8}ウブズ　17歳

92
00:10:15,656 --> 00:10:16,072
{\an8}ウブズ　17歳
有望なシルバーバックだ

93
00:10:16,073 --> 00:10:18,451
{\an8}有望なシルバーバックだ

94
00:10:20,828 --> 00:10:22,079
体が大きく

95
00:10:23,372 --> 00:10:24,624
力も強い

96
00:10:26,542 --> 00:10:29,253
野望も抱いている

97
00:10:33,716 --> 00:10:36,844
ギクラシが衰えていく中

98
00:10:40,765 --> 00:10:44,935
ウブズが
リーダーの座を狙っていた

99
00:11:09,043 --> 00:11:14,423
とはいえ今 群れは
テタの赤ちゃんに夢中だ

100
00:11:18,469 --> 00:11:20,387
人間と同じで

101
00:11:20,388 --> 00:11:23,891
新しい命は
特別な存在なのだ

102
00:11:34,235 --> 00:11:37,154
まだ生後２か月は幼い

103
00:11:37,655 --> 00:11:41,158
母親は
群れで騒ぎが起きれば

104
00:11:42,118 --> 00:11:45,079
子を危険から遠ざけ守る

105
00:12:00,970 --> 00:12:04,682
ゴリラは年齢問わず
遊び好きだ

106
00:12:13,441 --> 00:12:18,320
遊びを通して
絆を築き 強めるのである

107
00:12:39,049 --> 00:12:43,721
だが ウブズは遊びに
全く興味がない

108
00:12:51,979 --> 00:12:55,983
目下の注目の対象は
ギクラシだ

109
00:12:59,445 --> 00:13:05,367
ギクラシを上回る体格で
年長者に威圧感を与える

110
00:13:18,631 --> 00:13:23,052
だが力だけで
群れのリーダーにはなれない

111
00:13:26,514 --> 00:13:31,060
私は それをルワンダで
目の当たりした

112
00:13:37,733 --> 00:13:41,237
“群れを支配するのは
30歳のベートーベンだ”

113
00:13:45,199 --> 00:13:50,412
{\an8}ベートーベン

114
00:13:50,913 --> 00:13:53,332
“力を誇示するように歩く”

115
00:13:54,542 --> 00:13:57,085
非常に大きな体でね

116
00:13:57,086 --> 00:13:59,587
人間に比べれば だ

117
00:13:59,588 --> 00:14:03,259
親指１本で
人間の頭骨を砕けるだろう

118
00:14:06,136 --> 00:14:09,765
だがベートーベンには
違う顔があった

119
00:14:10,808 --> 00:14:15,396
それはパブロとの関係を
通して知った

120
00:14:18,732 --> 00:14:23,027
私がパブロと出会ってすぐ
彼の母親が姿を消し

121
00:14:23,028 --> 00:14:26,532
パブロは１人ぼっちになった

122
00:14:32,121 --> 00:14:36,082
幼いゴリラが母親の保護なく
生き延びるのは

123
00:14:36,083 --> 00:14:38,294
難しかっただろう

124
00:14:39,295 --> 00:14:42,338
だが意外な展開になった

125
00:14:42,339 --> 00:14:47,469
ベートーベンが
パブロの面倒を見始めたんだ

126
00:14:53,934 --> 00:14:57,730
母親の代わりに
懸命に守ろうとした

127
00:15:03,777 --> 00:15:06,906
パブロは常に彼のそばにいた

128
00:15:16,540 --> 00:15:17,625
彼を観察し…

129
00:15:22,254 --> 00:15:23,756
そして学んだ

130
00:15:30,471 --> 00:15:33,140
父親代わりの
ベートーベンのもとで

131
00:15:34,600 --> 00:15:36,977
パブロは元気に成長した

132
00:15:38,812 --> 00:15:43,609
その関係がパブロの人生を
大きく変えたんだ

133
00:15:53,744 --> 00:15:55,913
当時と同じように

134
00:15:58,207 --> 00:16:03,170
今のパブロ･グループも
個性はバラバラだ

135
00:16:08,300 --> 00:16:11,844
{\an8}パブロによく似た子も
その中にいる

136
00:16:11,845 --> 00:16:12,887
{\an8}パブロによく似た子も
その中にいる
ウビ　２歳

137
00:16:12,888 --> 00:16:15,557
{\an8}ウビ　２歳

138
00:16:19,228 --> 00:16:21,355
見た目だけではない

139
00:16:22,815 --> 00:16:26,360
大胆さや好奇心も
そっくりだ

140
00:16:30,864 --> 00:16:36,120
でも今は あるゴリラに
心を奪われている

141
00:16:39,164 --> 00:16:39,914
{\an8}イムフラだ

142
00:16:39,915 --> 00:16:40,456
{\an8}イムフラだ
イムフラ　14歳

143
00:16:40,457 --> 00:16:43,961
{\an8}イムフラ　14歳

144
00:16:58,892 --> 00:17:01,895
イムフラは微妙な年頃だ

145
00:17:03,230 --> 00:17:05,940
大人の仲間入りを前に

146
00:17:05,941 --> 00:17:09,945
背中には銀色の毛が
現れ始めている

147
00:17:12,114 --> 00:17:14,658
だが中身は子供だ

148
00:17:30,883 --> 00:17:33,509
ゴリラの社交性は高く

149
00:17:33,510 --> 00:17:37,723
さまざまな関係の中で
暮らしている

150
00:17:38,223 --> 00:17:43,604
その関係性が彼らの
“今”と“未来”を形づくるのだ

151
00:17:48,692 --> 00:17:54,114
イムフラは遊び好きな反面
思いやりもある

152
00:17:56,075 --> 00:17:59,912
でも変化した体と力を
持て余していた

153
00:18:02,414 --> 00:18:03,790
その様子に気づいた者がいる

154
00:18:03,791 --> 00:18:05,541
{\an8}ウブズ
その様子に気づいた者がいる

155
00:18:05,542 --> 00:18:08,170
{\an8}ウブズ

156
00:18:52,548 --> 00:18:57,344
イムフラがウブズに
重傷を負わされた

157
00:19:00,139 --> 00:19:01,639
残忍なようだが

158
00:19:01,640 --> 00:19:05,435
どのシルバーバックにも
暴力的な一面はある

159
00:19:08,981 --> 00:19:14,695
ライバルを排除するのは
本能的な行動にすぎない

160
00:19:18,657 --> 00:19:21,535
だがイムフラは まだ若く

161
00:19:23,495 --> 00:19:26,373
身を守る術(すべ)を知らなかった

162
00:19:54,193 --> 00:19:57,404
パブロ･グループが
目を覚ました

163
00:20:07,831 --> 00:20:09,917
標高 約3660メートル

164
00:20:10,584 --> 00:20:13,921
ここは彼らが暮らす
山の王国の頂上だ

165
00:20:46,662 --> 00:20:49,539
ウブズが動きだした

166
00:20:54,962 --> 00:20:58,757
シルバーバックが代々
この山々を治めてきた

167
00:21:00,050 --> 00:21:03,804
いよいよ
ウブズの番が来たのだ

168
00:21:24,533 --> 00:21:28,161
だが群れが
それを受け入れず

169
00:21:29,329 --> 00:21:32,207
ウブズは いらだっている

170
00:21:42,175 --> 00:21:44,886
仲間を怖がらせることなく

171
00:21:49,433 --> 00:21:53,061
自分の怖さを
誇示することが重要だ

172
00:21:54,396 --> 00:21:58,400
有能なリーダーだと
示すのである

173
00:22:03,155 --> 00:22:05,615
ギクラシが見ていた

174
00:22:07,492 --> 00:22:11,038
だが なぜか
動こうとはしない

175
00:22:14,333 --> 00:22:18,837
{\an8}ウブズ

176
00:22:20,672 --> 00:22:25,509
ゴリラが何を考え
何を感じているのか

177
00:22:25,510 --> 00:22:28,597
彼らを見ると
つい想像してしまう

178
00:22:30,891 --> 00:22:32,976
何を望んでいるのか

179
00:22:33,894 --> 00:22:36,229
何をしようとしているのか

180
00:22:40,984 --> 00:22:43,487
正解は分からない

181
00:22:46,490 --> 00:22:49,451
観察し想像するしかない

182
00:22:53,955 --> 00:22:55,915
ただ１つ確かなのは

183
00:22:55,916 --> 00:23:01,004
ゴリラは体が大きくても
複雑で繊細ということだ

184
00:23:01,755 --> 00:23:04,549
{\an8}テタ

185
00:23:03,006 --> 00:23:04,632
個性があり

186
00:23:04,633 --> 00:23:05,257
{\an8}皆 異なる特徴を
持っている

187
00:23:05,258 --> 00:23:07,301
{\an8}皆 異なる特徴を
持っている
ギクラシ

188
00:23:07,302 --> 00:23:07,761
{\an8}ギクラシ

189
00:23:08,512 --> 00:23:11,932
{\an8}ウブズ

190
00:23:13,392 --> 00:23:15,017
私たちと同様に

191
00:23:15,018 --> 00:23:18,312
ゴリラを形づくるのも
人生経験だ

192
00:23:18,313 --> 00:23:19,356
いい経験も

193
00:23:20,524 --> 00:23:22,025
悪い経験もね

194
00:23:22,651 --> 00:23:26,696
{\an8}イムフラ

195
00:23:41,044 --> 00:23:43,463
イムフラの傷は
癒えつつある

196
00:23:45,006 --> 00:23:47,300
だが群れを避けていた

197
00:24:02,274 --> 00:24:07,863
この時期のオスゴリラは
孤立することが多い

198
00:24:14,536 --> 00:24:15,953
{\an8}家族でさえ
警戒するようになる

199
00:24:15,954 --> 00:24:18,372
{\an8}家族でさえ
警戒するようになる
ウビ

200
00:24:18,373 --> 00:24:19,583
{\an8}ウビ

201
00:24:28,133 --> 00:24:32,553
若いオスは
新たな家庭を築くため

202
00:24:32,554 --> 00:24:35,056
群れを出ることがある

203
00:24:37,017 --> 00:24:41,897
また 去る以外
他に選択肢がない場合もある

204
00:25:01,708 --> 00:25:04,377
外には他の群れがいる

205
00:25:05,504 --> 00:25:07,506
姿は見えないが

206
00:25:09,007 --> 00:25:10,634
音は届く

207
00:25:16,097 --> 00:25:21,728
パブロ･グループより
規模も力も上回る群れもある

208
00:25:36,326 --> 00:25:40,663
シルバーバックの数も
個体数も多いため

209
00:25:40,664 --> 00:25:43,542
争いが起きる頻度も高い

210
00:25:51,508 --> 00:25:55,219
大きな群れに
単独で出くわせば

211
00:25:55,220 --> 00:25:58,890
イムフラは
ひとたまりもない

212
00:26:40,932 --> 00:26:44,644
ウブズは家族と
食べ物を探している

213
00:26:52,110 --> 00:26:56,990
パブロ･グループの縄張りは
約７.８平方キロ

214
00:26:59,326 --> 00:27:05,206
彼らの食生活を支える
多様な植物が生息している

215
00:27:12,380 --> 00:27:15,091
だがゴリラは柔軟性が高い

216
00:27:25,143 --> 00:27:28,647
ウブズが
珍しいものを見つけた

217
00:27:42,869 --> 00:27:44,371
アリだ

218
00:27:47,415 --> 00:27:51,378
でも これは
強力なアゴを持つ軍隊アリ

219
00:28:02,222 --> 00:28:03,932
噛(か)み返してくる

220
00:28:32,001 --> 00:28:34,254
仲間が集まってきた

221
00:28:56,901 --> 00:29:00,028
リーダーの役割の１つは

222
00:29:00,029 --> 00:29:03,616
仲間をよい餌場へ導くこと

223
00:29:13,418 --> 00:29:14,084
{\an8}そして より重要なのは
群れをまとめることだ

224
00:29:14,085 --> 00:29:17,547
{\an8}そして より重要なのは
群れをまとめることだ
ウブズ

225
00:29:25,722 --> 00:29:29,684
ウブズの存在感が
高まってきている

226
00:29:41,821 --> 00:29:41,987
{\an8}シルバーバックの
対話の手段は複雑だ

227
00:29:41,988 --> 00:29:45,575
{\an8}シルバーバックの
対話の手段は複雑だ
ギクラシ

228
00:29:46,409 --> 00:29:47,701
{\an8}ウブズ

229
00:29:47,702 --> 00:29:49,870
{\an8}ウブズ
ボディーランゲージを
主に使う

230
00:29:49,871 --> 00:29:50,914
{\an8}ボディーランゲージを
主に使う

231
00:30:00,256 --> 00:30:03,550
{\an8}ウブズ

232
00:30:03,551 --> 00:30:03,967
{\an8}ウブズ
座る場所や動作は
多くのことを物語る

233
00:30:03,968 --> 00:30:08,014
{\an8}座る場所や動作は
多くのことを物語る

234
00:30:09,599 --> 00:30:12,435
ギクラシ

235
00:30:19,317 --> 00:30:22,945
ウブズがギクラシに
まっすぐ近づき

236
00:30:22,946 --> 00:30:25,865
挑発行動を取っている

237
00:30:27,742 --> 00:30:31,955
リーダーなら
立ち向かわねばならないが

238
00:30:33,581 --> 00:30:35,250
ギクラシは無反応だ

239
00:30:39,546 --> 00:30:42,090
テタが近くで見ている

240
00:30:49,722 --> 00:30:54,561
シルバーバック同士の対立は
激化しやすい

241
00:30:58,773 --> 00:31:01,526
ウブズが襲いかかった

242
00:31:15,999 --> 00:31:20,044
シルバーバックの体は
成人男性の２倍はある

243
00:31:25,133 --> 00:31:27,427
力も何倍も強い

244
00:31:35,476 --> 00:31:37,729
時に争いは命を奪う

245
00:32:03,129 --> 00:32:06,049
ウブズが無傷で現れた

246
00:32:15,141 --> 00:32:17,852
だがギクラシの姿はない

247
00:32:40,541 --> 00:32:43,419
ギクラシは生きていた

248
00:32:45,129 --> 00:32:47,173
だが完全に負けた

249
00:32:48,257 --> 00:32:52,428
群れの前で
若いオスの力に屈したのだ

250
00:33:05,358 --> 00:33:11,364
テタは 誰を支持するか
群れに示さなければならない

251
00:33:20,748 --> 00:33:23,418
テタは
ギクラシと共に去った

252
00:33:26,838 --> 00:33:28,840
群れも従う

253
00:33:32,927 --> 00:33:35,387
ギクラシは５年をかけ

254
00:33:35,388 --> 00:33:38,558
群れの忠誠を勝ち得ていた

255
00:33:44,856 --> 00:33:47,984
ウブズは選ばれなかった

256
00:33:54,532 --> 00:33:58,494
シルバーバックが
真のリーダーではない

257
00:33:59,912 --> 00:34:03,958
頂点に立てるかどうかは
人格で決まる

258
00:34:10,214 --> 00:34:13,550
私は
３歳のパブロしか知らない

259
00:34:13,551 --> 00:34:18,139
だが当時の彼は
既に非凡であった

260
00:34:19,557 --> 00:34:22,852
強いシルバーバックに
育てられ

261
00:34:23,436 --> 00:34:27,815
18歳になる頃には
群れを率いる力を備えていた

262
00:34:29,317 --> 00:34:33,779
{\an8}パブロ　18歳

263
00:34:33,780 --> 00:34:37,992
新たな群れを作るため
元の群れを離れた

264
00:34:42,830 --> 00:34:47,334
だがパブロは
型破りなリーダーでね

265
00:34:47,335 --> 00:34:51,880
群れの中のライバルに
挑まれた時は

266
00:34:51,881 --> 00:34:58,096
戦わずに その相手と
強力な同盟関係を築いたんだ

267
00:34:59,347 --> 00:35:04,726
互いに敵対するのではなく
協力し合うことで

268
00:35:04,727 --> 00:35:08,231
群れをどんどん
強くしていった

269
00:35:10,483 --> 00:35:14,486
最盛期には
65頭も属していたんだ

270
00:35:14,487 --> 00:35:17,073
史上最大の群れだよ

271
00:35:39,011 --> 00:35:44,892
後にリーダーとなる
幼いオスも その中にいた

272
00:35:47,103 --> 00:35:48,604
ギクラシだ

273
00:35:59,282 --> 00:36:03,828
だが今はギクラシの支配が
揺らいでいる

274
00:36:05,454 --> 00:36:08,374
ギクラシは反撃するのか

275
00:36:08,875 --> 00:36:12,420
それとも
ウブズとの協調を選ぶのか

276
00:36:36,819 --> 00:36:39,905
ウブズは戦いに勝利した

277
00:36:39,906 --> 00:36:45,453
だが今も仲間は彼を
リーダーとして認めていない

278
00:36:48,164 --> 00:36:49,415
テタもだ

279
00:36:50,666 --> 00:36:53,544
リーダー格のメスの支持なく

280
00:36:54,378 --> 00:36:57,590
仲間の心は つかめない

281
00:37:32,250 --> 00:37:37,922
{\an8}テタ

282
00:37:42,260 --> 00:37:45,721
だがテタの忠誠心が
変わりつつある

283
00:37:50,726 --> 00:37:55,314
ギクラシから離れ
ウブズのそばに来た

284
00:37:57,525 --> 00:38:01,654
それは若いオスへの支持を
示している

285
00:38:20,548 --> 00:38:24,093
ギクラシは
主導権を引き渡した

286
00:38:57,960 --> 00:39:02,965
パブロ･グループの
リーダーはウブズになった

287
00:39:03,716 --> 00:39:05,760
だが これは始まり

288
00:39:08,220 --> 00:39:11,057
頂点に立つのは簡単でも

289
00:39:12,892 --> 00:39:18,522
その座に居続け 仲間を
守り続けるのは別の話だ

290
00:39:50,971 --> 00:39:54,100
群れに新たな個体が加わった

291
00:39:55,101 --> 00:39:59,105
山の反対側からやってきた
メスだ

292
00:40:02,441 --> 00:40:03,858
{\an8}インヤンゲは
生まれ育った群れを離れ

293
00:40:03,859 --> 00:40:05,860
{\an8}インヤンゲは
生まれ育った群れを離れ
インヤンゲ　６歳

294
00:40:05,861 --> 00:40:05,944
{\an8}インヤンゲ　６歳

295
00:40:05,945 --> 00:40:08,071
{\an8}インヤンゲ　６歳
パブロ･グループに
加わった

296
00:40:08,072 --> 00:40:08,154
{\an8}インヤンゲ　６歳

297
00:40:08,155 --> 00:40:10,865
{\an8}インヤンゲ　６歳
自分の家族を築くためだ

298
00:40:10,866 --> 00:40:11,409
{\an8}自分の家族を築くためだ

299
00:40:14,036 --> 00:40:18,164
近親交配を避けようとする
本能に突き動かされ

300
00:40:18,165 --> 00:40:20,709
メスは危険を顧みず移動する

301
00:40:23,212 --> 00:40:26,965
この場で新たな関係を
築く必要があるが

302
00:40:26,966 --> 00:40:29,969
まだ彼女は“よそ者”である

303
00:40:31,762 --> 00:40:34,014
細心の注意が必要だ

304
00:41:07,506 --> 00:41:11,927
{\an8}ウブズ

305
00:41:19,727 --> 00:41:25,232
ウブズとギクラシは
新しい関係に慣れつつある

306
00:41:28,194 --> 00:41:30,862
ウブズは 主導権を握った今

307
00:41:30,863 --> 00:41:33,866
攻撃性を抑えねばならない

308
00:41:34,909 --> 00:41:39,288
一方 ギクラシは
服従を学ばねばならない

309
00:41:45,336 --> 00:41:47,171
緊張感は残っている

310
00:41:48,088 --> 00:41:53,302
だが彼らの しぐさからは
協調の兆しが見られ

311
00:41:54,470 --> 00:41:57,806
周囲に安心感を与え始めた

312
00:42:44,478 --> 00:42:48,107
群れは 意識の波間を
漂いながら

313
00:42:50,985 --> 00:42:54,821
優しい触れ合いの輪を
紡いでいく

314
00:42:54,822 --> 00:42:58,909
これが連帯感と
結び付きを育む

315
00:43:03,205 --> 00:43:09,461
親密で揺るぎない絆で
強く結ばれたゴリラの家族だ

316
00:43:18,929 --> 00:43:23,726
子供たちは
そう長く寝てはいられない

317
00:43:33,652 --> 00:43:36,238
ウビも動き始めた

318
00:43:46,248 --> 00:43:50,169
母親から離れ
冒険に出かける

319
00:44:02,473 --> 00:44:07,227
イムフラは
別の傷の回復を待っていた

320
00:44:20,532 --> 00:44:25,663
群れとの心の通った交流は
今や ほぼない

321
00:44:28,540 --> 00:44:33,837
イムフラの唯一の友人は
ウビだけのようだ

322
00:44:48,727 --> 00:44:51,438
ところが何かが違う

323
00:45:15,462 --> 00:45:18,465
ウビの母親が近くにいる

324
00:45:34,606 --> 00:45:38,110
イムフラに伝えているようだ

325
00:45:38,819 --> 00:45:41,947
“私の子に近づかないで”と

326
00:46:00,799 --> 00:46:04,845
群れの誰もが
イムフラに背を向けた

327
00:46:35,375 --> 00:46:38,461
新しく来たインヤンゲは

328
00:46:38,462 --> 00:46:41,423
しばらく群れを観察中だ

329
00:46:42,341 --> 00:46:44,134
特にテタが気になる

330
00:46:46,720 --> 00:46:52,351
リーダー格のメスとの関係は
重要な意味を持つ

331
00:47:04,571 --> 00:47:08,908
彼女が家族に近づくのを
テタが許せば

332
00:47:08,909 --> 00:47:12,412
それが群れへの
メッセージとなる

333
00:47:14,790 --> 00:47:17,876
{\an8}ウブズ

334
00:47:22,464 --> 00:47:25,634
テタは受け入れたようだ

335
00:47:29,930 --> 00:47:33,350
赤ちゃんも抱かせている

336
00:47:37,729 --> 00:47:40,523
こうした若いメスの行動は

337
00:47:40,524 --> 00:47:43,443
母親になるための準備となる

338
00:47:54,246 --> 00:47:57,623
群れにとっても
ウブズにとっても

339
00:47:57,624 --> 00:48:01,712
インヤンゲの加入は
いい兆しである

340
00:48:05,674 --> 00:48:08,969
ゴリラは
家族を増やそうとする

341
00:48:10,387 --> 00:48:12,681
数は力になるからだ

342
00:48:27,571 --> 00:48:31,783
インヤンゲは 絶好の
タイミングでやってきた

343
00:48:34,286 --> 00:48:39,958
頂点に立ったウブズは
子孫を残すことに意欲的だ

344
00:49:06,401 --> 00:49:08,820
新たなメスが加わり

345
00:49:10,948 --> 00:49:13,450
新しい命も生まれる

346
00:49:15,410 --> 00:49:17,328
ウブズの統率のもと

347
00:49:17,329 --> 00:49:21,375
群れは
ますます力をつけていく

348
00:49:53,323 --> 00:49:58,912
イムフラが孤立した状態は
何か月も続いていた

349
00:50:12,300 --> 00:50:16,847
彼は今 １人きりで
山を下りている

350
00:50:23,854 --> 00:50:28,191
ゴリラの森の終わりには
壁があった

351
00:50:36,533 --> 00:50:40,746
イムフラが世界の果てに
たどり着いた

352
00:51:07,731 --> 00:51:11,485
彼は人間の領域に
足を踏み入れた

353
00:51:16,615 --> 00:51:20,077
人間は何千年も
この地で暮らしている

354
00:51:23,413 --> 00:51:26,792
彼らもまた
大地に支えられていた

355
00:52:06,331 --> 00:52:11,169
人間とゴリラの関係は
常に複雑だった

356
00:52:11,670 --> 00:52:14,463
約50年前
私がルワンダにいた時

357
00:52:14,464 --> 00:52:19,510
密猟によりゴリラは
絶滅の危機にひんしていた

358
00:52:19,511 --> 00:52:24,766
ヴィルンガ山地では
250頭まで減っていたんだ

359
00:52:31,022 --> 00:52:33,899
ダイアン･フォッシーが
いなけければ

360
00:52:33,900 --> 00:52:36,570
絶滅していただろう

361
00:52:44,661 --> 00:52:47,246
自分が愛したゴリラが
密猟者に殺され始めた時

362
00:52:47,247 --> 00:52:49,957
{\an8}〝ディジット〞
自分が愛したゴリラが
密猟者に殺され始めた時

363
00:52:49,958 --> 00:52:50,791
{\an8}〝ディジット〞

364
00:52:50,792 --> 00:52:54,045
{\an8}〝アンクル･バート〞

365
00:52:51,626 --> 00:52:54,045
彼女は決意した

366
00:52:56,339 --> 00:52:57,966
ゴリラを守ると

367
00:53:01,928 --> 00:53:03,470
{\an8}〝ダイアン･フォッシー〞

368
00:53:03,471 --> 00:53:05,681
{\an8}〝ゴリラを
誰よりも愛した人〞

369
00:53:05,682 --> 00:53:06,473
{\an8}〝ゴリラを
誰よりも愛した人〞
彼女の死後も

370
00:53:06,474 --> 00:53:07,933
{\an8}彼女の死後も

371
00:53:07,934 --> 00:53:11,313
{\an8}ゴリラの研究は
続けられている

372
00:53:13,940 --> 00:53:18,737
年月を経て ルワンダ内外で
ゴリラを保護しようと

373
00:53:20,197 --> 00:53:23,658
多くの人が立ち上がった

374
00:53:26,119 --> 00:53:30,498
そして その取り組みは
成功を収めた

375
00:53:39,591 --> 00:53:44,012
ルワンダのゴリラの数は
現在 ほぼ回復している

376
00:53:49,726 --> 00:53:52,646
だが個体数が増えても

377
00:53:54,105 --> 00:53:56,358
山地が広がることはない

378
00:54:07,244 --> 00:54:09,871
イムフラの今後は？

379
00:54:13,875 --> 00:54:16,044
彼の居場所は？

380
00:54:20,590 --> 00:54:23,802
ゴリラが同じ空間に
密集している

381
00:54:24,302 --> 00:54:30,100
それが行動と互いの関係に
影響を及ぼしているんだ

382
00:54:35,230 --> 00:54:39,359
イムフラの居場所は
群れにはない

383
00:54:42,237 --> 00:54:44,239
山の頂上まで登り

384
00:54:45,615 --> 00:54:47,909
そして下りてきた

385
00:54:51,955 --> 00:54:54,582
もう行く当てがない

386
00:55:06,803 --> 00:55:11,224
何をしでかすか分からない
危ない存在として

387
00:55:12,225 --> 00:55:16,062
１人生きる運命なのだろうか

388
00:55:52,307 --> 00:55:56,311
ウブズは盤石な地位を
築いている

389
00:55:58,730 --> 00:56:02,776
群れは安定し
個体数も増えている

390
00:56:06,237 --> 00:56:09,157
赤ちゃんも２頭 生まれた

391
00:56:12,869 --> 00:56:15,622
１頭はインヤンゲの子で

392
00:56:17,165 --> 00:56:20,293
ウブズがボスになって
初めての子だ

393
00:56:25,924 --> 00:56:29,636
ゴリラの新生児は
完全に母親に依存し

394
00:56:31,513 --> 00:56:35,892
母親は 赤ちゃんに
全身全霊を注ぐ

395
00:56:39,396 --> 00:56:43,817
生後２～３か月
母子は常に一緒にいる

396
00:56:56,371 --> 00:56:59,581
初めて母親になった
インヤンゲは

397
00:56:59,582 --> 00:57:02,460
当然 神経質になっていた

398
00:57:11,386 --> 00:57:14,722
ウブズは
彼女を常に気にかけ

399
00:57:15,598 --> 00:57:18,351
しっかりと守り続けた

400
00:57:25,525 --> 00:57:28,068
だがリーダーとして

401
00:57:28,069 --> 00:57:31,739
他にも気を配らねばならない

402
00:57:33,032 --> 00:57:36,786
別のメスが
彼の注意を引きに来る

403
00:57:46,546 --> 00:57:50,216
このしぐさは交尾の誘いだ

404
00:58:06,441 --> 00:58:08,443
ウブズは受け入れ

405
00:58:09,777 --> 00:58:13,156
群れを無防備な状態にした

406
00:58:46,773 --> 00:58:51,194
{\an8}インヤンゲ

407
00:58:52,654 --> 00:58:58,076
ウブズの注意がそれている時
悲劇が起きた

408
00:59:15,552 --> 00:59:19,430
インヤンゲの子が
殺されたのだ

409
00:59:27,272 --> 00:59:32,277
傷痕から ゴリラの
仕業だと考えられた

410
01:00:12,442 --> 01:00:16,362
他のメスが
インヤンゲを取り囲む

411
01:00:18,239 --> 01:00:21,367
テタ

412
01:00:29,167 --> 01:00:33,421
何が起きたのか
誰がやったのか

413
01:00:36,507 --> 01:00:38,801
母親は知っている

414
01:00:43,806 --> 01:00:46,601
インヤンゲは新入りだが

415
01:00:47,185 --> 01:00:50,897
彼女の悲しみは
群れ全体に波及した

416
01:01:11,334 --> 01:01:14,462
インヤンゲは
殻に閉じこもった

417
01:01:17,840 --> 01:01:20,468
だが１人ではなかった

418
01:01:24,764 --> 01:01:27,517
赤ちゃんの父親 ウブズだ

419
01:01:30,561 --> 01:01:34,273
インヤンゲと我が子を
守れなかった

420
01:02:05,304 --> 01:02:10,351
赤ちゃんが殺されてから
４日が過ぎていた

421
01:02:12,186 --> 01:02:18,359
このような悲劇的な出来事は
リーダーへの不信を招き

422
01:02:20,194 --> 01:02:22,905
群れは分裂しかねない

423
01:02:30,788 --> 01:02:34,500
だが皆がウブズの周りに
身を寄せている

424
01:02:36,127 --> 01:02:39,380
インヤンゲも彼の傍らにいた

425
01:02:49,891 --> 01:02:52,351
彼女が動揺し始めた

426
01:02:59,400 --> 01:03:01,861
イムフラが戻ったのだ

427
01:03:04,781 --> 01:03:08,910
インヤンゲの反応で
ウブズは全てを悟った

428
01:03:09,410 --> 01:03:13,164
イムフラが
子供を殺したのだ

429
01:03:16,501 --> 01:03:19,378
今や彼は 群れの脅威だ

430
01:03:27,345 --> 01:03:29,305
ウブズが攻撃する

431
01:03:40,566 --> 01:03:44,320
だがイムフラは
強くなっていた

432
01:03:50,618 --> 01:03:52,495
ギクラシが参戦する

433
01:04:14,100 --> 01:04:16,102
イムフラは退散した

434
01:04:22,942 --> 01:04:24,902
だが 近くにはいる

435
01:04:30,449 --> 01:04:34,745
この１年 群れから
はじかれていたが

436
01:04:35,913 --> 01:04:38,457
ずっと周辺にいた

437
01:04:44,380 --> 01:04:47,592
だが ついに
一線を越えてしまった

438
01:04:49,719 --> 01:04:53,097
自分の家族を殺したのだ

439
01:05:04,066 --> 01:05:07,904
群れは
リーダーの周りに集まった

440
01:05:20,875 --> 01:05:24,629
そしてウブズは
群れを率いて出発した

441
01:05:42,855 --> 01:05:46,317
イムフラが山を登っている

442
01:05:47,026 --> 01:05:49,028
だが１人ではない

443
01:05:51,030 --> 01:05:53,324
すぐ後ろにウブズがいた

444
01:05:54,158 --> 01:05:57,662
テタとギクラシも一緒だ

445
01:06:12,176 --> 01:06:15,846
イムフラは３頭に
追い立てられていた

446
01:06:36,033 --> 01:06:41,539
イムフラは１人で
次の谷を渡ろうとしている

447
01:06:58,431 --> 01:07:01,892
最初から
こうなる運命だったのか

448
01:07:03,811 --> 01:07:08,774
それとも繰り返される暴力に
耐えきれなかったのか

449
01:07:21,662 --> 01:07:26,625
イムフラは この先何年も
山をさまようかもしれない

450
01:07:28,711 --> 01:07:32,757
あるいは自分の家族を
見つけるかもしれない

451
01:07:34,967 --> 01:07:36,927
いずれ分かるだろう

452
01:08:10,086 --> 01:08:15,466
イムフラの不在を
寂しく思う者が１人だけいる

453
01:08:19,637 --> 01:08:25,518
何があったか 幼いウビは
まだ理解できないだろう

454
01:08:27,937 --> 01:08:30,856
イムフラは自分の友達だった

455
01:08:31,941 --> 01:08:35,319
そして その友達は
もういない

456
01:08:51,252 --> 01:08:56,132
しかしウビは パブロと同様
順応性が高い

457
01:08:57,341 --> 01:09:01,720
今は“大きな友達”を
作ろうと考えている

458
01:09:08,018 --> 01:09:09,103
ウブズだ

459
01:09:22,908 --> 01:09:26,245
ウブズは試練の１年を経て

460
01:09:26,745 --> 01:09:29,165
真のリーダーへと成長した

461
01:09:33,460 --> 01:09:38,841
そして今 必要なのは
ウビという友達かもしれない

462
01:10:02,823 --> 01:10:06,243
ギクラシは
ボスの座を明け渡したが

463
01:10:06,744 --> 01:10:12,958
若きリーダーを支えるという
新たな役割を担っている

464
01:10:14,668 --> 01:10:19,548
彼の豊富な知識が
大きな支えとなるだろう

465
01:10:22,051 --> 01:10:26,180
生涯で最も重要な
役割となるかもしれない

466
01:10:36,190 --> 01:10:42,071
テタは リーダーの交代で
重要な役割を果たし

467
01:10:42,988 --> 01:10:46,033
今は家族と
穏やかに過ごしている

468
01:10:49,411 --> 01:10:52,790
子供は もうすぐ２歳になる

469
01:10:56,126 --> 01:10:58,671
身体的にも知的にも

470
01:10:59,880 --> 01:11:01,632
順調に育っている

471
01:11:20,859 --> 01:11:23,737
インヤンゲは
つらい経験をした

472
01:11:24,321 --> 01:11:26,447
最初の子を亡くし

473
01:11:26,448 --> 01:11:31,829
その心の傷が今後
癒えることはないだろう

474
01:11:33,580 --> 01:11:38,210
だがパブロ･グループの
一員となった今

475
01:11:42,423 --> 01:11:47,469
彼女はゴリラ社会の
まさに中心で生きている

476
01:11:53,309 --> 01:11:54,476
“家族”

477
01:12:04,486 --> 01:12:08,282
パブロ･グループは
完璧な家族ではない

478
01:12:09,867 --> 01:12:11,535
どの家族もそうだ

479
01:12:16,999 --> 01:12:21,503
だが つらい時期を
共に乗り越えたきた

480
01:12:27,926 --> 01:12:32,056
そして群れは今
よい方向に向かっている

481
01:12:36,018 --> 01:12:39,646
ゴリラという種全体も同様だ

482
01:12:47,696 --> 01:12:53,952
現在 ヴィルンガ山地には
600頭以上のゴリラがいる

483
01:12:54,620 --> 01:12:59,750
私がいた50年前と比べ
２倍以上に増えたんだ

484
01:13:12,721 --> 01:13:17,643
保護活動としては
類いまれな成功例だよ

485
01:13:22,356 --> 01:13:28,028
きっと人がゴリラに
深い絆を感じるからだろう

486
01:13:28,987 --> 01:13:33,742
その絆は生涯を通し
私の中に息づいている

487
01:13:37,704 --> 01:13:42,209
始まりは小さなゴリラとの
出会いだった

488
01:13:47,464 --> 01:13:49,842
つらい幼少期を乗り越え

489
01:13:50,717 --> 01:13:54,972
パブロはカリスマ的な
強いリーダーへと成長した

490
01:14:00,144 --> 01:14:05,274
群れを思う気持ちは
最期まで変わらなかった

491
01:14:11,488 --> 01:14:15,617
これはパブロの
最後の映像の１つだ

492
01:14:17,870 --> 01:14:20,121
33歳の時

493
01:14:20,122 --> 01:14:23,417
群れを守ろうと
敵対するゴリラと戦い

494
01:14:23,917 --> 01:14:26,920
偉大なシルバーバックは
命を落とした

495
01:14:30,299 --> 01:14:32,801
彼を決して忘れない

496
01:14:36,013 --> 01:14:38,974
私は多大な影響を受けた

497
01:14:39,641 --> 01:14:43,478
{\an8}パブロ
１９７４～２００８年

498
01:14:43,479 --> 01:14:45,188
{\an8}パブロ
１９７４～２００８年
私はよく言うんだ

499
01:14:45,189 --> 01:14:49,859
“ゴリラとは
ただ視線を交わすだけで”

500
01:14:49,860 --> 01:14:52,571
“深い理解と
つながりが生まれる”

501
01:14:53,155 --> 01:14:54,573
今もそう思う

502
01:14:55,073 --> 01:14:56,617
それが真実だ

503
01:16:34,339 --> 01:16:37,009
日本語字幕　井上 倫子

